日々深まる秋の風の中で、リンドウがひときわ美しく咲き誇っています。野の花苑に向かう道の傍らに咲くリンドウは、まるで短い秋の日々を存分に謳歌しているかのよう。その青紫の花は秋晴れの日に特に鮮やかさを輝かせます。リンドウの青紫色は、古くから高貴な色として尊ばれてきました。日本では、聖徳太子が制定した冠位十二階制度において、紫は最高位の冠位に用いられる色として選ばれました。それは知恵と徳の象徴でもあり、聖なる存在を感じさせる色とされました。一方、西洋でも紫は同じように高貴な色とされており、古代ローマでは皇帝の衣装に紫色が用いられたといいます。このように紫は東西を超えて共通の高貴さの象徴として知られています。