先々週、泉館の裏手、大池の手前で見つけたボケの花。まだ寒さの残る季節に、たった一輪だけ咲いているその姿には、なんとも言えない生命力を感じました。そのままにしておくのが惜しくなり、枝ごと切り取り玄関に飾ることにしました。
今でも、その一輪は玄関を華やかに彩っています。鮮やかな赤い花は、まるで春の訪れをひと足早く告げているかのよう。見れば見るほどその存在感に驚かされます。
「枝先に集まり咲くはボケの花 手毬にも似た緋色と緑」という歌の一節が思い出されます。手毬のような丸い花のイメージに、歌では緋色とありましたが、今回見つけたのは目の覚めるような赤。まるで静かな玄関に小さな祝祭が起こったかのようです。
これほどまでに心を豊かにしてくれる自然の美しさに感謝しつつ、いつまでこの花が咲き続けるのか、楽しみながら眺めています。また次に見つける花を探しに行くのが待ち遠しいです。
四季の変化を少しずつ感じられるこんな小さな発見が、日常に彩りを添えてくれるのだと改めて感じた瞬間でした。