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ひっそりと春を告げるアマナ

 今日は朝から曇り空でしたが、昼から太陽が顔を出し、少し暖かくなってきたので、天王森泉公園の野の花苑へ行ってみました。そこでは、いつもお世話になっているボランティアの方が「アマナが咲きましたよ」と教えてくれました。

 さっそくその場所に足を運んでみると、地面近くにひっそりと咲く小さな花がありました。よく見ると、白く細い花びらがまだ完全には開かず、柱頭の先で三列に並んでいます。するとボランティアさんが、「太陽が当たるとね、この花がチューリップのように開くのよ」と優しく教えてくださいました。

 興味が湧いて、事務所に戻ってアマナについて調べてみると、なんと多くの都道府県で絶滅危惧種に指定されていることが分かりました。かつては日本の野山に広く見られた花だったようですが、環境の変化とともに数を減らしてしまったようです。さらに驚いたのは、アマナの球根が縄文時代から食用にされていたということ。あの清楚で可憐な姿からは想像もつきません。

 ひっそりと春を告げるアマナ。その可憐な姿を守るために、私たちができることは何か、改めて考えさせられる出会いでした。